独り言その3>節句

節句


1月

正月七日は人日(じんじつ)、別名若菜(七草)の節句である。七草とは芹(せり)・薺(なずな)・御行(ごぎょう)・繁簍(はこべら)・仏座(ほとけのざ)・菘(すずな)・蘿蔔(すずしろ)。正月の間は、餅を食べたことによる消化不良、また酒を飲んだこともあり、体調が崩れやすくなっている。七草はそれらを改善する薬効がある。そして七草を食べることは邪気をはらうという意味も持っている

3月

三月三日は上巳(じょうし)、別名桃の節句である。草餅・菱餅を食べるのが慣わしがある。雛祭りが有名であるが、以前は川で禊ぎをし汚れを祓い、また身代わりに人形に汚れを移して川や海に流していた。穢れ祓いとしての意味は薄れ現在の形になったのは、江戸時代の元禄の頃からである。では、なぜ桃なのか?桃の葉は不老長寿に聞くといわれたり、たくさんの果実は多産のシンボルという言い伝えがあったからである

5月

五月五日は端午(たんご)、別名菖蒲の節句である。ちまき・柏餅を食べるのが慣わしがある。菖蒲(しょうぶ)の語が「尚武」に通じるとして武士の台頭に従い、庶民にも浸透し立身出世を願い幟や兜飾りを行うようになった。幟(のぼり)は始め旗指物(はたさしもの)を飾ったのが幟になり、さらには吹き流しとなり、鯉のぼりに変化した。鯉は逆流をのぼる勢いが良く、また板に乗れば静かに包丁を待つという潔さが愛され、空に泳がせることが考えられたと言われる

7月

七月七日は七夕(しちせき)、別名笹の節句である。索餅を食べる慣わしがあった。索餅とは麺であり、現在の素麺と言われるが、はっきりしない。七夕は日本古来の棚機津女(たなばたつめ)の信仰と、中国に古くから伝わる牽牛(けんぎゅう)・織女星の伝説とそれから発達した乞巧奠(きこうでん)の行事が混じってできたものであるといわれる。平安時代になって、竹竿に糸をかけて願いを星に祈るとかなえられる、という現在のスタイルになった


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